□ そのあと □

「昨日、君が夢に出てきたよ」

 友人はそう言って、僕から目を逸らした。
 何だろうと、首を捻ってみせるとこう。

「あのね。昨日、虎に追いかけられたんだ」

 虎に?
 ……ああ。夢の話か。

「それで、君を踏み台にして逃げたのさ」

 ──それで?

「さあ。自分は無事だったけど」

確か、そいつは僕を親友と呼んでいた。